超絶インドのカルタール。アサラトの次はコレ! | Indian Khartal, next of Asalato

2018年7月12日木曜日

Blog Khartal Lesson Travel

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数年前にインドのプシュカルという、西インドの砂漠の街へ旅しました。



インドで多くの人が信仰するヒンドゥ教には、三大神「ブラフマー、ヴィシュヌ、シヴァ」という偉い神様たち三人がいるのですが、それぞれ「創造、維持、破壊」の役割をもっています。

でも不思議なことに、ヴィシュヌとシヴァを祀った寺院はインドのそこら中、おそらく何千、何万とあるのですが、ブラフマーを祀った寺院はあんなに広いインドの中で、なんと6つしかありません。

自分の娘に入れ込むプシュカルの神様

なぜ6つしかないのか、また、なぜブラフマーを信奉する人が少ないのか、いろいろな説があります。

ブラフマーは「God of creation」で、宇宙をつくり、神、悪魔、人間も自分自身の身体からつくったすべての源なので、相当尊敬されても良いはずなのですが、、、

ブラフマーの伝説のうちのひとつ

ブラフマー自身がある日つくった女神(シャタルパ Satarupa、サラスワティ Saraswati、その他多数の変形/変名あり)があまりにも魅力的だったので、ブラフマーは女神がどこに出掛けていても覗けるよう、もともと4つ持っていた首にプラスして、覗き用の5つ目の首で女神をいつでもどこでも監視していたそうです。

自分自身がつくった、いわば娘でもある女神に惚れ込む情けない様子を見た破壊神シヴァが、5つ目の首を切ってしまいました。

そんな不甲斐ない神様なのであまり尊敬されず、信奉者が少ない、という説。

プシュカルに集まる人々

そんな情けない神様の、たった6つしかない寺院のうち、いちばん伝統があり格式高いブラフマー寺院があるのが、このラジャスタン州のプシュカルという砂漠の中の小さな街なんです。

プシュカルは、そんなありがたい(?)寺院にお参りに来るインド人観光客が来る街であり

砂漠のキャンプに住むジプシーたちのダンス、カルベリアダンスを習える街であり

もう少し南にある、観光地ゴアで楽しんだヒッピーが、帰国のためのフライトが出る大都市デリーまでの旅の途中の中継地に使う街でもあります。

また、ヒッピーたちとインド人の間で行われる、海外で売るための服の縫製やアクセサリーの買い付けビジネスがさかんな街でもあります。

そのため、テイラーや卸し専門のお店がたくさんあって、外国人向けのデザインの服がどこよりも安いです。


毎日夕日を見に、人(と牛)が集まってました

カルタールってなに?

そんな人々を横目に、プシュカルで私が出会ったのがカルタール Khartal
ジプシーのカスタネットです。

ダンスや音楽が大好きなジプシーたちが、インドを出てヨーロッパ方面に北上してロマと呼ばれるようになったのですが。

そのジプシーのダンスと音楽がスペインまでたどり着いて、フラメンコができたそうです。

カルタールはフラメンコカスタネットの源流でもあるんです!

そんな壮大でロマンティックなストーリーは
この映画『ラッチョ・ドローム』を観るとよく分かります↓↓↓

ジプシーのカスタネット、カルタール

ジプシーからカルベリアダンスを習っている、イスラエルから来た友人マリナが持っていたのがこのカルタールでした。
触らせてもらってから、どハマリ。

両手を使って、指で微妙にコントロールするところや
自分のリズムがそのまま指先から表現できるところが、まさにタブラと同じでした!


ジプシーから入手したカルタール。左が私の、右がTamangohの
ただの板きれ2枚をそれぞれ両手に持って操る、シンプルかつ美しい、難しい楽器なんです。

カルタールによる出会い

これを道端のチャイ屋さんで鳴らしていたら

ダンスの仕事でインドに来ていた、ニューヨークで著名なタップダンサーTamangohが、同じようにカルタールを鳴らしながら歩いてきて意気投合、という出会いもありました。

Don't Worry, Be Happy」のBobby McFerrinとTamangohのタップダンス



PushkarでのTamangohの様子。めちゃくちゃ鳴らしています。

日本で唯一のカルタール奏者?

身体表現的にリズムを扱う、ダンサー、特にタップダンサー、パーカッショニストでこのカルタールを嫌いな人はいないと思います!

インド音楽でも、ポップスでもJazzでもなんでもセッションできる、ポータブルパーカッション。

別のNYの友人が、khartal.comという美しいカルタールブランドを立ち上げたり、近日中にアサラト並に世界中で流行ります、これ。

いまのところ、日本でカルタールを演奏できる人に会ったことがないので、私が日本で唯一のカルタール奏者です(笑)

歌ものとも合います。

人類史上初、台湾製カルタール

台湾にアーティスト・イン・レジデンスでミュージシャンとして招聘されたとき
台湾の木を使って自作・カルタールを作ってもらった 作りました。
(木はさすがに切ってもらいました笑、磨くのは自分で)

@Dream community, Taipei
台北のドリームコミュニティにて。

日本でカルタールを!

このカルタール、素材の木によってまったく音が変わります。

私がプシュカルのジプシーから入手したのは、タブラのボディにも使われる、インディアン・ローズウッド(インドではシーシャムと言います)。

硬くて丈夫な木なので、カーンとした高音が鳴ります。

一方、Tamangohのものはジョドプールという街の別のジプシーが作った、柔らかい白い木でできたもの。中域のより温かい音。

このカルタールを日本の硬い高級木材、たとえば黒壇なんかで作るともっと高音が出ます。

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インド音楽やタブラとのフリーセッションも

こちらはインド、ウェストベンガル州のコンサートで、インド古典音楽のフルート、バンスリと演奏しました。



ホームセッションも



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Noriko Shakti シャクティ紀子
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東京出身の音楽プロデューサー、作曲家、タブラ奏者。 インドを拠点に活動を続ける中、コンセプトEP”WITHIN the Time and Place”をリリースし、エレクトロニカ、インド古典音楽、ジャズからブレイクビーツまでその多彩な音楽性で評価を得て、ローリングストーン誌等からインタビューを受けるなど注目される。日本人で初めてインド・コルカタの州立大学の修士過程を器楽科タブラ専攻で卒業、博士過程に在籍しながら、作品のリリース、演奏活動やDJ、映画音楽などを手掛ける。
Noriko Shakti is a producer, composer, DJ and Tabla player from Japan, making film score to wicked vibes on dancefloor. She released concept EP ‘WITHIN the Time and Place’ which received critical acclaim for its eclectic musicality from left-field Electronica, Indian Classical, springy Jazz to laidback Breakbeats, got coverage by Rolling Stone, The New Indian Express, Wild City.

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