インド音楽、タブラを楽しむための5つのポイント

2018年8月10日金曜日

Blog Lesson Music Tabla

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インド音楽を演奏している人たちはステージでなにをやっているの?

本場インドでインド古典音楽のコンサートに行くと

演奏を聴きながら、周りの人たちがひたすら数えるような仕草をしていたり
奏者もお客さんもみんな同じタイミングで手や膝を打ったり
「キャバッ!」「キャーバーテー」と叫んでいたりしています。

あれって何なの?って思った方に向けた記事です。

インド音楽を楽しむための5つのポイントを解説します

一曲がやたらと長くて(1、2時間、続くことも)眠くなったり、なんだか凄いのは分かるけど、何をどう楽しんだらいいのかわからない! から解放されましょう。

タブラプレイヤーの視点から、インド音楽を楽しむためのポイントを解説

まずはこちらの資料をチェック。

#1 タブラの楽譜

タブラの楽譜は、独特の音(=Bol ボル)で表します。 Dha ダ/Dhin ディン/Tin ティン/Ge ゲなどがあります。
それぞれ、タブラの左右・両方のうちどれを叩くか、叩く位置、指使いを示しています。
タブラソロでは、このボルを組み合わせたタブラの曲をプレイヤーが暗唱します。

慣れてくると、ボルを聞いただけでその通りにタブラが叩けるようになり
また逆に、タブラを聴けばなにを叩いているのか、そのボルが分かるようになります。

師匠が
「じゃあ今日は
Dha Ti Gu Ge Ta Gu Dhi Nu Dhi Na Ge Neって叩いて」
と、いきなり、しかも超早口で振ってきても大丈夫!
即座に言われた通りにタブラを叩けます。

タブラ奏者の家に遊びに行くと、いきなり難問を振られます。

大丈夫!

#2 タブラの16ビート

タブラの主要なビートは、西洋音楽で言うところの4拍✕4小節の16ビートです。Teentaaal ティンタールと呼ばれています。

× Dha Dhin Dhin Dha |
2 Dha Dhin Dhin Dha |
0 Na Tin Tin Na |
3 Tete Dhin Dhin Dha |
× Dha ||

× ダー ディン ディン ダ |
2 ダー ディン ディン ダ |
0 ナー ティン ティン ナ |
3 テテ ディン ディン ダ |
× ダ ||

と読みます。

#3 ビートのサイクルとSam サム

タブラのビートは、1サイクルごとに円を描くように進行していきます。
1拍目(=Sam サム)に重点が置かれ、強調して演奏されます。

これ!重要!
北インド古典、ヒンドゥスタニは、ほとんどすべてがタブラの伴奏に合わせて演奏されます。

なので歌やシタール、サロード、バンスリなどなど、プレイヤー達は皆このタブラのサイクルを理解しています。

#2で、一番最後の× Dha ||、つまり17拍目(=次のサイクルの1拍目)が余分に書かれているのはこのルールがあるから。

タブラに合わせて、ステージの全員がこのサムに向かって戻ってこられるように、インプロやフレーズをキメます。

#4 タブラソロの伴奏

タブラソロでは、1サイクルごとに固定されたメロディ(=Lehra レヘラ/Nagma ナグマ)を伴奏に使用します。
タブラをこのメロディの基音に合わせて、チューニングします。前述のサムに、伴奏の基音とチューニングされたタブラの音を重ねます。
このような表現が、インド音楽の美学のひとつです。

ナグマの演奏の仕方はこちら

このメロディのループ上で、ソロを演奏します。

#5 Tihaai ティハイ

同じパターンを3回繰り返すコンポジションがよく出てきます(=Tihaai ティハイ)。
例えば、11拍のパターンを作り、それを3回繰り返すと合計33拍になります。最後の1拍を、次のサイクルの最初の1拍目として終わらせるので、1を引きます。
最終的に32拍、16ビートの2サイクルとなります。図Aを参考に数えてみてください。プレイヤーは、こうした数の遊びを即興で演奏します。

ティンタール(16ビート)のティハイの例
11✕3=33 33-1=32 →16ビートを2サイクル

ここは難しいと言われるところ!ちょっとした算数をやっています。
もっと短い例だと、4ビートに合うサイクルを作りたいときは、3拍のパターンを3回繰り返します。

タブラのフレーズじゃないんですが
例えば仮に、トマト(3拍)を3回。
トマトトマトトマト 3✕3=9 9-1=8 →4ビートを2サイクル

最後のトが次のサイクルの最初の1拍目に合わさって消える、と考えるので
トマトトマトトマまでが4ビートを2サイクルで完結、と考えます。

キャバ=キャバクラじゃありません

最後に「キャバッ!」「キャーバーテー」と叫んでいたりしているのは何なのか?について解説。

インドでは、演奏中の奏者から良いアドリブが出たり、素敵なフレーズを弾いたり歌ったり、#5で説明したサイクルがキマってきちんとサムに戻ってきたとき

手や膝を打ったり、お客さんが「Kyabaat!(キャバッ!)」と掛け声をかけます。
ヒンディ語です。

英語に直訳すると「What are you talking about?!」
キレ気味、喧嘩のときにも使う言葉です。
日本語にすると、「なんだと?!」 という感じですが

意味が転じて
なんだと?!何て言った?!良くわからない(喧嘩腰)
↓↓↓
もう、何?良くわからないくらいすごい!(称賛)

となります。
誰かが良い発言をした時、良いパフォーマンスしたときに褒め言葉としても使うんです。
まったく逆の意味があるのが面白いですよね。

ノリとしては「Bravo!」とか
日本語なら「ヤバい!」とかいう感じと思っていただければ。
ヤバいも、良い意味と悪い意味、両方ありますよね。

タブラレッスンやってます

Noriko Shakti | Music Producer, Tabla Player

About Me

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Noriko Shakti シャクティ紀子
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音楽プロデューサー、コンポーザー、タブラ奏者。東京出身のノマド、海外在住者。
インドのゴアにスタジオを持ち、子供の頃からの夢だったビーチライフを、アーティストとして楽しんでいます。国内外で音楽やアートのプロジェクトに参加、ミュージシャンとして仕事しています。
Music producer, Composer, and Tabla player from Japan. Currently based in Goa, India. Got baptized by edgy dance music scene in Tokyo. My interest in eclectic music led me to India, earned a M.A. in Indian Music, Tabla under Indian government scholarship. Now pursuing a Ph.D. I work and participate in Music and Art projects internationally.

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