ヒカキンとバスキアに学ぶ、海外でアーティストとして成功する方法【音楽で飯を食う】

2020年7月15日水曜日

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海外でアーティスト、ミュージシャンとして成功して、生活していく方法があったら知りたいでしょうか?

まわりから良く質問されるのが
「インドで音楽家としてやっていくために、一体どうやってるの?」というもの。

この記事では、私や、周りのアーティストやミュージシャンが日本の外、インドや海外でどのように活動しているのか?

また、アーティストとして成功するために必ずやっておいたほうがいいことを、バスキアを例に説明します。

音楽家としての成功とは?自分の目標を定める

まず、音楽家としての成功とは一体何なのでしょうか?

いまやTVでも活躍され、みんなが知ってるヒカキンさん。
『僕の仕事は YouTube』という本を出されています。YouTuberとして、みんなを楽しませ夢を与えていて、精力的に活動をされています。

しかし、ヒカキンさんがプロのビートボクサー(=ミュージシャン)という夢を叶えたとは思えない
という人もたくさんいるのではないでしょうか?

だって、彼はビートボクサー:ヒカキンではなく、YouTuber:ヒカキンじゃないですか。
そして、その収入のほとんどが、音楽を作ったり演奏したりすることによって得られるものではないですよね。


音楽家として収入を得る方法

ヒカキンさんも仰っていますが

有名曲をカバーしたビートボックスの動画だけではYouTuberとしての地位を確立し、収入を得ていくには難しいと考えて方向転換
商品紹介など幅をもたせたブロガー的なYouTuberを目指したそう

これからのユーチュバーにはブロガー的な要素も必要だとか、動画を作り込むスキルも磨かなきゃとか、いろんなことを学ばせてくれた。落選したことで、ただ好きなことをやるだけじゃダメだとわかり、視野が広がったと思います。
| 日興フロッギー

最終的にはYouTuberとして成功し、さらに音楽の方も自身のオリジナル曲をリリースするなど好きなこともちゃんとやれてますね。

成功の定義は人それぞれですし、そこまでの道のりも、ひとつではありません。

自分が納得できるやり方を選択する

アーティストやミュージシャンは、展示やコンサートなど実際に表に立つ以外にも、見えないところでいろんなことをやって収入を得ています。

フリーランスのアーティストの場合、例えるとそれぞれ個人が自分の会社を経営しているようなものです。

自分で企画し、動いて、アーティスト同士を繋げてブッキングしたり、コンテンツ(作品やライブ)を作り、マーケティングして、売上をあげ、会計して、と実にさまざまなことを行っています。

その上で、実際に音楽を演奏したり、アートを作る側としてのスキルも向上していかなければいけないので、大変です。

もしそれ以外で苦手な部分があれば、人に相談したり誰かと仕事をするのもありです。

また、まったく別の仕事を掛け持ちすることも、もちろんアリです。
普段は会社員で週末だけアーティスト活動をするなど、日本ではよくあるケースではないでしょうか。

自分のやっているアートとまったく関係のない、オフィスワークをしているアーティストの友人の中には
「アート分野のことだけやっていると、ちょっと世間ずれしてしまうこともあるけれど、副業をしてることでごく一般的な視点も取り入れられるから、バランス良く活動できてるよ」という人も。

ミュージシャンのマネタイズの方法

パフォーマンス活動を主体としているミュージシャンや、ダンサーの知り合いの中には、この2020年のコロナ禍で完全に失業してしまったという人もちらほら聞きます。

先の分からない時代、アーティストはどうやってマネタイズしたらいいのでしょうか?

私もやっているミュージシャンとしての演奏活動以外のマネタイズの方法を挙げてみると
  1. 個人として直接スキルを売る
  2. SpotifyBandcampYouTubeなどレヴェニューを保っておけるコンテンツを増やす
  3. リリースした作品の印税
  4. 音楽教室など、教える側に回る。独自のメニューを考えワークショップなどを企画
  5. オンラインでパフォーマンス、クラス
  6. プロジェクトを立ち上げて、国や団体、企業、またはクラウドファンディングなどから支援を得る
  7. 上とも関連しますが、アーティスト・イン・レジデンス。私は台湾で経験あり。
などでしょうか。きっと思い出せば他にもあるはず。

インドで音楽活動をする私の場合

私が先月、音楽の全面プロデュースとタブラ、カルタールの演奏で参加した
コンテンポラリーダンスプロダクション“WITHIN”。

日印のアーティストをオンラインで繋げて行ったオンラインショウだったのですが、この場合は、上の5番と6番が当てはまります。


チケットを売るなどはしませんでしたが、日本政府機関である国際交流基金さんにプロポーサルを提出し、制作の段階から様々な支援や、グラントとしてファイナンシャルなサポートも受けました。

2020年3月~の、インドのゴアでロックダウン中の音楽家としての収入は

  • 口琴奏者から直接依頼された、ソロアルバムの全面プロデュース、コンポーズ
→ タブラを始める前の私は、打ち込み、ダンスミュージック、DJのシーンにどっぷりでしたので、音楽の作曲、プロデュース、ミックスからマスタリングまで1人でもできます。
個人のスキルを直接売った、1番のケースです。

  • コンテンポラリーダンスプロダクション“WITHIN”
→ 3、4番にあたります

  • WITHINのために作った楽曲をアルバムとしてデジタルリリース、レヴェニュー
→ 1番ですね

  • リリースする作品のコピーライトを保護し、印税を得るためにインドの著作権団体に加入
→ 2番です

  • オンラインでのタブラクラス
→ こちらは2017年頃からもともとやっていました。4番にあたります。
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  • YouTubeのチャンネル収入
→ こちらも1番。多くはないですが、助かっています!こちらの演奏動画は89万回再生されています。

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こんなところでしょうか。

あとは、秘密保持契約があるので詳しくは書けませんが、ボリウッド映画への音楽提供の話なども。

他のアーティストとの協力関係も大事

ここ数日でやっている仕事は、インド人シンガーの曲のプロデュース+タブラの音提供です。

インドのゴアにいる私、インドのハイデラバードにいるシンガー、アメリカ西海岸にいる他の2人のプロデューサーと連動して、来月のリリースに向け動いています。
これも個人に来た仕事なので1番です。

もっとメインストリームな商業音楽なら、シンガーやラッパー、バンドや楽器奏者など実際にステージに立って活動している人の、もっと何倍もの人々が関わっています。

一つの曲ができあがるのに、何人ものコンポーザー、プロデューサー、アレンジャー、サウンドエンジニアなどが関わっているんです。

ダンスやシアター作品、ライブやDJパーティー、イベント等を作るのも同じで、そこには表立って活動するアーティストだけではなく本当に多数の人が関わっています。

だからとにかく行動、人と繋がることが成功への近道

功名心があるアーティストやミュージシャンなら、シーンで成功したい、いわゆる上を目指したいのは誰も同じ。


でも、成功というこの言葉すらも、捉え方は人それぞれでだとお伝えしました。

さらに、芸術としてのクオリティや練習量が必ずしも物を言うのではなく、ある意味でラッキー、運の部分ってアートや音楽の世界だけでなく、何にせよあるんです。

ただ、その運をうまく味方にしていけるかどうかは、自分の行動次第でもあります。
行動とは、ずばりネットワーク。どうやって運を引き寄せ、成功者となれるのか?

それは、どういった人たちと繋がっていくかにかかっている部分があるんです。

面白い話があります。 

参照:123億円で落札!バスキアと元パートナーの成功を分けたものは? | 本がすき。

世界的に有名になったバスキアがやったこと

ストリートのグラフィティ・ライターだったバスキア(ジャン=ミシェル・バスキア)が、キャリアの初期にSAMOというユニットでパートナーのアル・ディアスと活動していたのはご存知でしょうか?

この二人は、年齢や環境、生み出すアートのスタイルもそっくりながら、ユニット解消後にバスキアは世界に名を知られるアーティストとして成功し、一方のアル・ディアスはアーティストとしての名声はすべてSAMO時代に築いたもので、いまでもニューヨークのシーンで活動していますが、その名を知る人はほとんどいません。

バスキアはポップアートの巨匠、アンディ・ウォーホルとも親しくしていました。


バスキアと元パートナーの大きな違い

二人の明暗を分けたのは、ずばり、バスキアが持つネットワーク力でした。
一方のアル・ディアスは一匹狼で知られていました。

アート界で言えば他にも、ゲルニカで皆さんご存知、パブロ・ピカソもネットワーク力で成功したアーティストなんです。

自分の作品をポストカードにして自ら配ったり、絵を完成させると何人も画商を招待し、その作品の背景や意図をみずから説明するなど、自己ブランディングとマーケティングに長けたアーティストでした。

自分の絵を積極的に売って価値を提供し、お金持ちになったピカソと
生前に売れた絵はたった2枚、極貧アーティスト人生を送ったゴッホはよく対比されますね。

音楽やアートだけに限らず、あらゆるビジネスにも繋がる成功へのヒントです。

About Me

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Noriko Shakti シャクティ紀子
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東京出身の音楽プロデューサー、作曲家、タブラ奏者。 インドを拠点に活動を続ける中、コンセプトEP”WITHIN the Time and Place”をリリースし、エレクトロニカ、インド古典音楽、ジャズからブレイクビーツまでその多彩な音楽性で評価を得て、ローリングストーン誌等からインタビューを受けるなど注目される。日本人で初めてインド・コルカタの州立大学の修士過程を器楽科タブラ専攻で卒業、博士過程に在籍しながら、作品のリリース、演奏活動やDJ、映画音楽などを手掛ける。
Noriko Shakti is a producer, composer, DJ and Tabla player from Japan, making film score to wicked vibes on dancefloor. She released concept EP ‘WITHIN the Time and Place’ which received critical acclaim for its eclectic musicality from left-field Electronica, Indian Classical, springy Jazz to laidback Breakbeats, got coverage by Rolling Stone, The New Indian Express, Wild City.

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