器楽奏者は手や指が大事!
インドの古典楽器は、手や指を複雑に使って演奏します。インドの楽器の有名どころ、
弦楽器=シタール Sitar/サロード Sarod/サーランギ Sarangi
打楽器=パカワジ Pakhawaj/ムリダンガム Mridangam/コール Khol(シュリコール Shreekhol)/タブラ Tabla
など。
これらを毎日何時間も練習や演奏していると、指先(&あぐらでくるぶしも潰れる)に相当なダメージがあります。
弦楽器の場合は、指先で弦を扱うので食い込んでしまい、演奏家は弦の痕が凹んで消えません。
打楽器では、手や指を打ち付ける動作によって指先に亀裂が入ったり、特に寒い季節は簡単に切れてしまいます。
師匠の別荘でタブラ修行
それでも本場インドでは厳しい修行が続行するため、治りかけてはまた怪我をする、というのを繰り返してしまいます。バンドエイドを貼っても日々の練習や日常生活で何度も貼り直しになってしまうので、キリがありません。
ある年のインド、5月の酷暑期。
気温が毎日40度を超える中、師匠クマール・ボーシュ Kumar Boseの別荘に泊まり込みでタブラの修行をしました。
朝から晩まで他の弟子たちも一緒に、ぶっ続けの長時間練習。
しかも暑いどころの騒ぎではない
43度、湿度90%でクーラー無し。
グルプルニマの日に他の弟子たちと。師匠の横に陣取っています
常に汗だるまで指先が切れた状態で、ご飯の時間にインド式で右手の素手を使って食べなければいけないのがさらに辛かった!
もちろんスプーンを使っても良いのですが、インドの田舎ではまだまだ素手で食べるのが当たり前で、食堂に行っても出てきません。
近所の安食堂のターリー。素手で食べるのが前提なのでこれしか出てこない、、、
カレーが手に染みる
しかも師匠や他の弟子たちも当然、素手で食べています。世界に名だたるタブラの巨匠の別荘に招待されて習えるだけでもありがたいのに、やれ暑いだの、スプーンで食べるだのとも言いづらく。
外国人の女が来て、チャラチャラやっていると思われるのも悔しい。
一週間(!)近く続いた合宿で、毎日我慢でした。
右手の指先のパックリ開いた切り傷に、スパイスたっぷりで辛く、熱いカレーが飛び上がるほど染みました。。。
葡萄が目にしみる、いや、カレーが手にしみる、か。
グルプルニマの日の師匠。
弟子が一人ずつプレゼントするジャスミンの首飾りで埋もれています
インド式・テーピングの仕方
バラナシに演奏活動で立ち寄った際知り合った、同じくタブラ奏者のイタリア人の友人が簡単で効果的な指先のテーピングの仕方を教えてくれました!貼り直してもキリがない→むしろ何度でも貼り直ししやすいことがミソ。
インドの打楽器だけでなく、カホンやジャンベ、コンガやボンゴ奏者の方にもオススメです。
やり方は、
- 傷や痛い部分に合う大きさの3倍の長さのテープを切って
- そのテープを、粘着部を中にして三つ折りにたたんで、クッションを作る
- クッションを傷に当て、さらにテープで包むだけ!
こんな感じになります
必要なときに貼り直してね!
宿から見えた、バラナシの夕日
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