北東インド人の親友、ターニャの絶品ダールの作り方

2018年8月16日木曜日

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美味しいダールは正義

ダールはインドの言葉で豆のことです。

豆の種類を区別するときは、ムングダールとか、マスールダール、チャナダールなどという使い方をします。

一方で、それらの豆を使ったスープ状の料理も「ダール」と呼びます。

インドに居る間は毎日のように食べている、日本のお味噌汁的な料理です。

こちらは私が自作した生のぶどう入りダール。
生のぶどう入りダールは、ぶどうの時期だけの贅沢です!

インド料理はダールに始まり、ダールに終わる

ダールが美味しく作れる料理人は何を作っても絶品で、ダールが美味しいレストランにハズレはありません。 By Noriko Shakti

インドの各地、また、インドだけではなく南アジアの各国には実にさまざまなダールがありますが

北東インド出身、デリーでしばらくフラットシェアもしたことがある
親友のターニャが作るダールのレシピを紹介します!
デリーのINAマーケットでターニャとショッピング中。

北東インド=ノースイーストは、中国やブータンとの国境に隣接しています。

そのため東アジアの食文化と、インドをはじめ南アジアの食文化が混ざり合っていて、日本人の口に合う絶品料理がたくさん。

日本人が好むような東アジア的な「旨み」も共有できて、インドのスパイス使いも理解している、という最強のハイブリッドです。

私の北東インド人の友人たちはみんな超絶に料理が上手いです。

ターニャはセブンシスターズと呼ばれる、北東インド7つの州の中のメガラヤ(Meghalaya)州シーロン(Shillong)出身です。

お母さんが、インドが植民地だった英領インド時代に入植したイギリス系が入った家系、お父さんがカシ部族。

自家製スモークドポークを黒ゴマで作ったペーストと絡めて煮たり、干し魚のアチャール(漬け物)など、カシ部族の料理も伝説級に美味しいのですが、、、

まずはシンプルイズベストなダールのレシピをご紹介。

ターニャの絶品ダールの作り方

彼女はもちろん目分量ですが、キッチンで一緒に料理しながら観察した感じを数字にしました。

インドで一番旨い!ターニャのダール

1. 洗ったムングダール150gマスールダール100g、叩き潰したショウガ大さじ2ターメリック小さじ1強塩小さじ1水を豆の4cmくらい上まで、圧力鍋に入れて火にかけ、3ホイッスル※1
日本の圧力鍋なら、圧がかかってから弱火にして5~10分程度でしょうか。

※1 ホイッスル、という言い方はインドの圧力鍋を使ったことがあれば共通認識です。
インドの圧力鍋は調理していると勝手に圧が抜けて「シュー!」というタイミングがあるんですが、その「シュー!」の数で、何ホイッスル、とします。
お米やムングダールなら3ホイッスル、丸ごとのチャナダルなら4ホイッスル以上。レシピ本なども当然のようにこの言い方です。

2. 別のフライパンにマスタードオイル大さじ2を熱して、ホールのクミン小さじ1、あればカレーリーフかテチパタ(Tej patta ローリエで代用可)適量をフライ。
クミンがパチパチ焼けて全部がしっかりきつね色になったら、グリーンチリ4本(できればそれ以上※2)と、みじん切りの玉ねぎ1/2個分塩ひとつまみを入れてしっかり炒めます

※2 グリーンチリは味の決め手でもあるので、あまり減らすと味気ないダールになってしまいます。辛さは慣れです。慣れてください。
辛さで味が決まるので、塩分が控えられて健康的です。
もしガラムマサラやコリアンダーパウダーを入れたい場合はここで。でも、それぞれ小さじ1程度。生のコリアンダーがあるなら、パウダーは入れない等でバランスを取ります。

3. 焦がさないように炒め続けて、玉ねぎがきつね色になったら、角切りのトマト2つ分(日本の大きいものなら1つ)を加える。ふたたびしっかり炒める。

4. 3のペーストと、1で調理した豆を合わせる。

5. 塩で味を調節して、生のコリアンダーの葉を刻んだものひとつかみバサッと入れて、さっと火にかけ馴染ませたら完成~

スパイス入れ過ぎ注意

スパイスの使いすぎは絶対ダメ。

化粧品と同じで、ついついたっぷり使いたくなりますが、たくさん使えば美味しくなる、ということはありません!
私がターニャの目の前で作ると、「ターメリックが多い、ガラムマサラ入れすぎだよ!」って注意されます。

素材を大事に、とにかく我慢強く。

材料を入れるごとにしっかり炒めるのところを、言葉通りちゃんとしっかり炒める(ただし焦げないように)と必ず美味しくなります。

必要な調理器具と豆について

ショウガはすり鉢で繊維を叩き潰します。
すりおろしたり、みじん切りだとなんだか味も違うし、別モノになるのが不思議。

スパイスも叩き潰して使うので、インドのお家の台所にはすり鉢が必ずひとつあります。

ガンガン叩くので、割れる素材はダメ。

ステンレスか、石でできたものが叩いたときの熱を吸収してくれて、スパイスの香りが熱で損なわれずに済みます。


インドのダールでよく使われる、ムングダールとは、皮を剥いて半分に割った緑豆のことです。
中国だと春雨の原料、日本でもおなじみ、もやしになるあの豆ですね。


マスールダルは、赤レンズ豆とかレッドレンティルとも呼ばれます。 栄養満点、食べごたえもあります。

使用したスパイス

クミン。インドではジーラ Jeeraと言います。

パウダーではなく、必ずホールを使ってください!


上のクミンとターメリックさえあれば、ダールやシンプルなサブジを作れます。


油も実はとっても重要な味の決め手です。 できれば旨みたっぷりのマスタードオイルで!

なんでもベンガル風になるスパイス

ベンガル風のダールにしたければ、クミンを炒めるタイミングでパンチフォロン小さじ1/2を入れてもオッケー。

パンチフォロン Panch phoron は、パンチ=5つ フォロン=スパイスと言う意味。

5つのホールスパイスがミックスされた、ベンガル料理に欠かせない、東インド地域で使われるスパイスです。


スパイスはシンプルに

このダールなら、なんと2つのスパイスだけでできちゃいます。

インド料理を作り始めた頃、よく参考にしていた香取薫さんの本。
5つもあれば、さまざまなインド料理が作れます~


ラジャスタンのカリーパコラ

ターニャのカリーパコラ(Kadhi Pakoda)の作り方をアップしました。
ヨーグルトベースで、酸っぱ辛くて夏にピッタリのレシピ。

こちらもインドで一番美味しいです!

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Noriko Shakti シャクティ紀子
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東京出身の音楽プロデューサー、作曲家、タブラ奏者。 インドを拠点に活動を続ける中、コンセプトEP”WITHIN the Time and Place”をリリースし、エレクトロニカ、インド古典音楽、ジャズからブレイクビーツまでその多彩な音楽性で評価を得て、ローリングストーン誌等からインタビューを受けるなど注目される。日本人で初めてインド・コルカタの州立大学の修士過程を器楽科タブラ専攻で卒業、博士過程に在籍しながら、作品のリリース、演奏活動やDJ、映画音楽などを手掛ける。
Noriko Shakti is a producer, composer, DJ and Tabla player from Japan, making film score to wicked vibes on dancefloor. She released concept EP ‘WITHIN the Time and Place’ which received critical acclaim for its eclectic musicality from left-field Electronica, Indian Classical, springy Jazz to laidback Breakbeats, got coverage by Rolling Stone, The New Indian Express, Wild City.

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